ブランドとアイデンティティ
2020.12.15
何のためのブランディングなのか?
ブランディングが大切であることは、経営者の皆さんなら当然ご存じだと思います。しかし、実際に、
ブランディングのために、何をしていますか?
ブランディングのために、何をする必要がありますか?
と質問すれば、
◎特に何もしていない。または、
◎ブランドになるように意識している。
◎ブランディングを考えて、お客様からできるだけいい会社に見えるように、思ってもらえるように、また、実際に、
◎いい会社であるようにできるだけ努力している。
と言ったことを応える経営者や個人事業主の方は多いと思います。
その答えとは、要するに、厳しく言えば、ほとんど何もしていないと言うことです。
ブランディングは意識はしていて、何もしていないわけではないけれど、大切なのは分かっているけれど、具体的に、これこれをやっていますと明確に伝えられるカタチにはなっていないということが多いのではないでしょうか?
あなたの会社はいかがですか?
ブランディングは何のために行うのか?
それは、本質的には経営者の会社をどうしたいのかという経営の目的やゴールであるビジョンに至るのですが、多くの場合、とても表面的な考えや思い←思い込みで、ブランディングについて浅く考えている方が多いのです。
ブランディングを経営のスキルとして大切な、ひとつのノウハウと言ったところでしょうか・・・
ブランディングの本質
ブランディングと言うからスキルやノウハウになってしまうのかもしれません。確かに、ブランディングは技術的な側面もあります。いや、一般的には、そうしたものなのでしょう。だから、私がブランディングという言葉を使うから、ブランディングの世界では異端児になるのかもしれません。
では、ブランディング以外の言葉で言うなら何でしょうか?
本質を、本質から発信する
これはまさに言い当ててるのですが、難しいかもしれませんね。
ブランディングは、いかにブランドを創造していくか、創っていくか、ブランドにしていくかということです。
ブランドになるというのは、誰から見ても価値ある素晴らしく、魅力的な会社、商品である。または、それぞれの会社において、自分たちの魅力、価値、素晴らしさを、その会社、商品なりに表現している。価値を提供している。こうしたことだと思います。
そこには、自分たちの会社、商品の品質を高めていこう、スタンダード(基準)を高めていこう、高いスタンダードを持とう、より高い価値を提供しようという、常に、会社、商品を見つめて、進歩、進化していこう、させていこうという意欲的に会社を高めていこうという思い、より良くなっていこう、それによって、お客様や関わる人々に強い共感を得たり、素晴らしいと感じてもらったり、そんな風になりたい、そのように自分たちもより良くしていきたいという、向上心や生活や人生の質を上げていくため参考だったり、ヒントだったり、刺激、先導者になって、究極的には、社会の中で、社会をより良くしていくためのリーダー的な存在となったり、地球環境の中でなくてはならない会社のひとつになっていく。。。
そうした「より良い会社になっていくための会社磨き」そんな活動が、ブランディングの本質だと考えています。
ブランディングはスタイリングではない
表面的な見え方やサービスの対応、雰囲気作りは、本質的なブランディングではなく、それは、見た目を良くするスタイリングであり、馬子にも衣装ではないけれど、ぱっと見は良さそうに見えるけれど、本質的に、その内面、内側から立ち昇り、外側に現れてくるオーラのような存在感あるものにはならないわけです。なので、そこで商売できて、売上げが上がる。利益を得られるならそれはそれでいいのでしょうが、金のメッキは剥がれるように、そうした商売は長く続かないかもしれません。
急な来客で、部屋を片付けなくてはいけない、散らかってるものを全部押し入れに押し込んで、取り繕うのですが、満杯になった押し入れの扉が壊れて、中のものが飛び出してくる。
机の上を整理するのに、何でもかんでも引き出しに突っ込む。。。同じことです。
さて、会社のブランディングを本質から捉えるときに、何が大切かと言うと、それは「アイデンティティ」と言うことになります。ここまでのお話で、アイデンティティと聞いて、なるほどとピンと来る方も多いと思いますが、アイデンティティとは「あなたは何者なのか?」「あなたはどんな存在なのか?」ということです。
その昔、1980年代に、CI=コーポレートアイデンティティという言葉が叫ばれた時代がありました。そのほとんどが、ロゴマークをつくって、ロゴマークの扱い方を決めて、名刺を始め、サインから車両など、会社の様々な場所でロゴマークの使い方を規定することがCIのように思われていたわけですが、これは本質的に大きな勘違いで、実はこれ、いまもWebサイトで起こっていることなんです。
会社のWebサイトは、会社の本質からメッセージを伝えるためのツールであるはずなのに、表面的に、Webサイトを作ること(←創ることになっていない)が目的になって、表面的なWebサイトを制作する会社がなんと多いことか。。。また、それでよしとする会社もなんと多いことか。。。
いずれにしても、本質的なコーポレートアイデンティティとは、その会社がいったいどう言う会社なのか?どういう存在なのか?それを表現していくことがコーポレートアイデンティティであって、そこから具体的な活動へと落とし込んで、より高いスタンダードで、日々の改善を行って、進化成長していく。これがブランディングとなっていきます。
なので、ブランディングにおいて、会社のアイデンティティを考えること、明確にしていくことなくして、ブランディングはないと言うことなのです。
会社のアイデンティティは明確ですか?
では、この会社のアイデンティティ、あなたの会社のアイデンティティはいかがでしょうか?明確でしょうか?あなたの会社は、どんな存在なのでしょうか?
会社のアイデンティティを考えるとき、会社をどのような会社にしていくのかを考えるリーダーである経営者、経営陣がどのようなアイデンティティを持っているのかが、とても大きな影響を与えることは言うまでもありません。
あなたが経営者なら、あなたが個人事業主として仕事をしているにしても、あなたのアイデンティティとはどのようなものでしょうか?
アイデンティティ=あなたは何者か?あなたはどんな存在ですか?
ということです。
あなたは、自分が何者であるか、はっきりと言えますか?
何のために生まれてきて、この人生を通して何を行うのか?何を成し遂げるのか?
何のために生を受け、どういう存在として生きるのか?
あなたが人生をどのように生きようとも自由です。あなたの人生はあなたのものであり、あなたの命です。他人がどうこう言う必要はないし、言われる必要もありません。
多くの人は、自分が何者であるのか?よく分かっていない人がほとんどで、考えたこともない人がほとんどです。それはそんなことを考えなくても生きられるから、そして、考えないように生きさせられてきたからと言うのが実際のところでしょう。
学校では、あなたが何者なのかなんて教えないし、個性をできるだけ摘み取るような教育や特に日本では、出る杭は打たれるではないですが、目立つこと、個性的なことは受け入れられにくい環境であることは、2020年の今日でも大して変わりません。以前よりは良くなっているとは思いますが。。。
アイデンティティを見ていくときに、あなたの価値感を見ていくとわかりやすいかもしれません。価値感とは、あなたは、何を信じ、何を受け取るのか?世界はどのようになっていて、運命は、人生はどのようなものだと考えるのか?
あなたは、どんな価値感を持っていますか?ということです。その価値感によって、あなたが見る世界、感じる世界、受け取るものが変わってきます。価値感とはあなたが世界をどう見るかの眼鏡であり、何を受け取るかのフィルターなのです。
あなたが何者であるのかについては、あらためてこのブログで掘り下げたいと思いますが、多くの人は、自分のやっている仕事や肩書きを言ってしまう人もいます。
以前、ネイティブアメリカンのスピリットネームの話をしました。
参照記事/会社を共に旅する仲間と考えてみる
あなたは何者なのか?とは、まさに、自分のスピリットはどういうものなのか?と言うことです。
経営者のアイデンティティのエネルギーソースと繋がる
女神が現れて、あなたに言います。
あなたの今の仕事や人生の状況、家族とかパートナーのこと、世界の状況など一切関係なく、
あなたが本当にやりたいことをやりなさい。
お金のことも、物質的なこともすべて心配せず、必要なものはすべて私が用意してあげます。
そう言われたら、どんな人生を送りたいですか?どんな自分でありたいですか?
映画の主人公でも、アニメの主人公でも構いません。そんな理想があるなら、例えばそれは誰なのか?また、過去の偉人や著名な人でもいいし、自分自身として、どんな存在でありたいのか?目を閉じて、深呼吸して、少し考えてみてください。
あなたは、どんな存在だったでしょうか?
そんなあなたがほんとはこんな存在でありたかった。こんな存在だと言える、イメージできる存在で考えた場合、あなたが今やっている仕事はあなたのその存在と一致している、または、その存在が行う仕事として、生き方として、それはフィットしているでしょうか?
アイデンティティとは、あなた自身の本質的なアイデンティティのコアの深いところに繋がって表現され、それが会社のアイデンティティへと拡がって行けば、とてつもないパワーになります。
あなたの最もやりたいこと、最も生きたい人生と一致することで、爆発的なパワーが得られ。言ってみれば、無尽蔵のエネルギーが噴き出す。油田を掘り当て、そこと繋がったようなエネルギーが流れてくるのです。なので、あなたのアイデンティティを見ていくことは、経営において何よりも重要なことなのです。
ブランディングが表面的な取り繕いではなく、会社のアイデンティティとは何かがコアになって、そこからブランドという高いスタンダートのクライテリア(評価基準)を明確にして、それを越える事業活動をしていく。それがブランディングであり、そして、そのアイデンティティとは、経営者自身のアイデンティティとしっかりとつながり、重なっていると、経営者のもっともやりたいというエネルギーソースと繋がって、そこから無尽蔵の情熱のパワーが得られ、あなたはエネルギーに満ちた、本当にやりたことが実現できるすべてを得ることができるでしょう。
ブランドを考えていくときに、アイデンティティは欠かせません。
あなたの会社のアイデンティティ、あなた自身のアイデンティティ。
ぜひ、見直してみてください!
他にも、いろいろな角度で経営やマーケティング、ブランディング、Webサイト制作について、お伝えしていますので、他の記事もぜひ、お読みください。ありがとうございました!
マーケティング、ブランディング、Webサイトの無料ご相談もやっていますので、
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Inspirater 和田達哉
株式会社マイルストーンデザイン 代表