ブループリントでブランディングを考える
2020.12.22
理想の姿をどこまでイメージできるか
ブランドづくりが大切だということは分かっているけれど、具体的にどういうことをしたらいいのかわ?何から初めていいのか分からないと言う方は多いかと思います。
よく分かっていないけれど、ブランディングは大事だから、ネットでブランディングについて探してみたり、いろんな本を読んでやれることはやってみているという方も多いかと思います。
ブランディングでもっとも大事なこととは、何かわかるでしょうか?
それはイメージすることです。
イメージすることとは、会社や商品の理想の姿をビジュアルや言葉でイメージすることであり、それがどこまで具体的に描けるのか、ここがもっとも大事なポイントです。
言ってみれば、これが具体的に、より詳細にイメージできるなら、あとはそれをカタチにしていけばいいだけです。
簡単と言えば簡単です。しかし、このイメージすると言うことが難しいから、なかなか上手くいかないわけです。
ブランディングだけではなく、すべてのことがそうなのですが、その先をイメージできれば、あとはそれをするだけです。
例えば、走り幅跳びの記録を伸ばすには、踏切までの加速と踏み切った後の身体の使い方、フォームなどが研究されて、もっとも飛距離が伸びるスタイルというものができていますが、昔はそれがわからないので、選手ごとにいろんな個性的な飛び方で改善が行われながら、科学的に研究され、最終的にはもっとも効果的なフォームが見いだされます。
そして、今は、身体のつくり、筋力のバランス、神経系のセンスなどその飛び方、フォームにもっとも適合させられる人がもっとも距離を伸ばすことができるようになっています。
どんな姿になりたいのかがわからなければ、なりたい姿には慣れない
ブランディングも、こういうことをすればいい、こういうことをやりましょうということはリスト化できるし、YouTubeなどでもどこにでも情報はあります。
でも、その前に、
◎会社がどんな状態であることがベストなのか?
◎商品はどうあればいいのか?
◎お客さんとのコミュニケーションはどうあるべきか?
など、具体的に描けていないと、見えていないと、それを具現化することはできません。
また、これらを実現するためにスタッフの態度やモチベーションはどうかなども大事です。
これまでいろんな会社や個人事業主さんのブランディングをアドバイスしてきましたが、相談いただいたほとんどの経営者の方が、理想の会社やビジネスのイメージができていませんでした。
ブランディングの動機は、会社の現状をなんとかしたい。そろそろブランディングを考えないといけない。会社をブランド化したい。ブランディングに取り組みたいという漠然としたところからお話を伺うケースがほとんどで、会社のビジョンをこんな風に描いていて、そのために具体的に、こんなことをやっていこうとしている、そこで、これらをブランディングしながら実現していきたいというような相談はほぼ皆無です。
どうしたいよりも、現状に対する何らかの危機感や現状を変えていきたいと言うことからブランディングを行いたいか、事業の立ち上げで、ブランディングを考えていかなければいけないというかたちで、それでは、目的地を定めずに、とりあえず自転車で出かけるようなものです。
自転車で出かけたはいいけれど、行き先について途中で気づいた、具体的になったら、それは自転車で行くには遠すぎたということになりかねません。より遠くに行くには、乗り物を変えなければいけないのです。
理想の会社の姿をどこまでイメージできるか
ブランディングではイメージすることが大事→具体的にどこまで実現した姿をイメージできるか、ビジュアライズできるか、具体的な言葉を表現できるか。。。
それは、建物を建てるときと同じです。最初に、どんな家に住みたいか、あれがいいこれがいいと悩んで、ようやくこんな家がいいと方向性は固まりますが、それはシンプルで和モダンな家という方向性だとしても、家の間取りや具体的にどんなカタチなのかなど見えていません。
それらを具体的にイメージする中で、その間取りの寸法が入ることで具体的なサイズが見えてきます。それから立面のイメージができて、図面が描かれていく中で家の全体像は見えてきました。ここから、素材やディテールを決めていく段階になります。
私は元々、シャープで製品の企画やデザインする工業デザイナー出身なので、同様にプロダクトを創るときは、最初に誰がどんな場所で使うのかをしっかり検討し、そういうシチュエーション、シーンを具体的にイメージしながら、サムネルと言われる10センチ程度の小さな製品のイメージをペンや鉛筆で描きます。そうした絵は数十点から、場合によっては数百点描かれます。
なぜ、小さな絵かというと、たくさんアイデアをイメージして書き出すために、ささっとイメージだけをつかんで描きとることが目的で、あくまでもアイデアレベルです。
アイデアをたくさん出すには、たくさん描いていく内にフロー状態が起こって、無数にイメージが浮かぶようになります。描きとる方が大変な時があって、そういうときは、絵がどんどん小さくなります。言葉を書き取る時に、文字量が多いと文字がラフになっていくのと同じです。
なので、こうしたイメージスクラッチをサムネル=親指というのです。
こうしてイメージが具体的になってくると、そんなサムネルからいいアイデアを取り出して、具体的にデザインしていきます。実際の製品のサイズに近いものですね。最終的には、平面図や側面図など実際の製品のサイズでデザインしていきます。
いまは、PCでデザインするので、この辺りも大きなモニターで実寸に近いイメージを描いたりしますが、いきなり3Dでデザインしていく場合もあるようです。時代は大きく変わりました。。。
いずれにしても、漠然としたアイデアからどんどん具体的に、ディテールをデザインしていくところは、もやもやと霧や霞のようなおぼろげなアイデアが、鮮明になっていって、細かなディテールまで見えてくるような感じで、まさに物質化していく感じです。
昔のテレビは解像度が低く、それでも、見えていただけで満足でしたが、今昔のテレビを見たら、よくこんなもので満足していたなと思うのですが、いまは、ハイビジョンでも解像度が低く見え、4Kどころか8Kが登場している時代です。僕が仕事で使っていモニターは5Kです。
Macはレティーナモニターなので、4K相当ですね。
この解像度が上がると言うことは、よりディテールまできめ細かく見えてくると言うことで、ブランディングを考えるときに、あなたの目を、脳を4K相当にしていかないと、会社やビジネス、商品のディテールが見えてこない→つまり、商品やサービス、会社の品質などきめ細かに表現できないと言うことになります。
きめ細かな解像度になるためには、それだけのセンサーが必要で、センサーとは感受性です。どれだけきめ細かく、お客さんの気持ちを受け止められるか、製品の細部の大切なことに気づけるか。。。そのためには開かれた感性を養う必要があります。今回は、ここのところはここまでにしましょう。
詳細なブループリントを描く
ブランディングでやることは、まず森を見る。どんな森なのか。。。それから一つ一つの木を見ていくということです。
まずは、
あなたの会社が現在どんな会社なのか?
どんな状態なのか?をよく見て、具体的に書き出してみてください。
そして、どんな会社になりたいのか?どんなゴールを得たいのか?
なぜ、そうしたいのか?
その結果を得ることで、あなたは何を得るのか?
その時に、どんな会社、どんなゴール?ここがどこまで具体的なのかによって、あなたがどのくらいのペースで、どこまで具体的なゴールにたどり着けるのか?
あなたが本当に得たいものを得られるのかが決まります。
あなたはブランディングのブループリント(設計図)を描かなければいけません。
あなたのブループリント次第であなたのブランディングは決まり、そのクォリティが決まるのです。ブループリント無しに、家が建たないように、ブループリントなしに、ブランドは創れないのです。
他にも、いろいろな角度で経営やマーケティング、ブランディング、Webサイト制作について、お伝えしていますので、他の記事もぜひ、お読みください。ありがとうございました!
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Inspirater 和田達哉
株式会社マイルストーンデザイン 代表