ブランディングはチューニング
2020.12.26
楽器はチューニング無しには演奏できない
あなたは楽器を演奏しますか?
特殊な楽器を演奏できる人もいるかもしれませんが、
ギターやピアノをかじったことがあるという人は多いかもしれません。
ギターやバイオリンなどの弦楽器、ピアノは弦楽器かと思ってたら、弦を打つので打弦楽器って言うそうですね。。。知らなかった・・・
NHKの番組「こころの時代」「にっぽん紀行」「目撃!にっぽん」などのテーマ曲で知る人ぞ知る、瞑想のピアニスト・作曲家のウォン・ウィンツアンさんが親しい先輩の友人なのですが、その昔、始めてウォンさんのコンサートを主催させてもらったとき、ピアノは準備した会場のものを使うのですが、ウォンさんから、ピアノのチューニングについてお話が出て、当たり前だけど忘れていたのですが、ピアノもチューニングがいるんだと。。。弦が隠れているので、気がつきにくいのですが、弦が張られているピアノは、定期的に、または、コンサートの前では必ず、調律師さんがベストな状態に調律=チューニングするのですが、演奏家によって、希望があればそのようにチューニングを調整していきます。
バンドの演奏などでも、ギタリストが演奏中に弦を調整したり、バイオリニストも演奏前に必ず調整しますね。絶対音感がないとそんな調整はできませんね。
僕も、ギターを時々弾きますが。。。チューナーがないと合わせられません。
楽器は最初に、しっかりチューニングしておかないと、演奏したときにおかしな音色になってしまいます。
プロはそれがすぐにわかりますが、おかしな音色になっていることに気づかない人も多いものです。。。笑
ラジオも、クルマもチューニング
チューニングと言えば、僕たちの世代では、やはりラジオでしょうか。今の若い世代の人は特に、ラジオなんて聞いたことがない人もいるかもしれません。すべてネットなので。。。ラジオもデジタルチューナーが出る前は、ダイヤルを回してもっとも感度のいいところに合わせる。まさにチューニングなのです。デジタルだと勝手にもっとも感度のいいところに自動的に合わせて、そこにセットされて、いつでもそのチャンネルを聞けるようになっていますが、今でも防災用に安く買えるラジオはアナログチューニングです。
チューニングと言えば、クルマやバイクもチューニングという言葉を使います。より性能を高めるためにチューニングすると言いますが、エンジンの性能をより高く発揮させるためにベストの状態にしていくことです。
当然、楽器もそういう意味でもあります。
ブランドをチューニングするとは、会社の持っているパフォーマンスを余すところなく、最大に能力を発揮することができるようにすることなのです。
ブランドチューニングで会社を奏でる
さて、ブランドを楽器のようにチューニングするというのは、楽器のように会社のブランドをチューニングしておく必要があるということです。
会社も楽器と同じように考えられます。演奏家は経営者です。楽器は会社です。
会社を経営するとは、楽器を演奏するようなものです。会社のもっとも基本、根幹となる部分が整っていないと、演奏する=経営したときに、不協和音のように本来の旋律を奏でられないし、何か違和感のあるものになってしまうでしょう。
では、ブランドをチューニングするためには、会社の何を見ていけばいいのでしょうか?
それは、会社の核=コアとなるコンセプトを始め、会社がどういう会社なのか?どういう価値感、目的を持って、どこに向かっているのか?どういうビジョンで、どこがゴールなのかを明確にしていくと言うことです。
楽器で言えば、どういう楽器で、どんな音を奏でるのか?どんな目的で使うのか?どんな演奏ができて、どんな演奏の可能性を秘めているのか?この楽器で究極的に、どんな演奏を実現したいのか?といった感じでしょうか?
あなたの会社は、楽器で言えば、どんな楽器だと思いますか?どんな音を奏でるでしょうか?
会社が弦楽器なら、そこにはいくつもの弦があります。ギターなら6本の弦です。
ブランドに必要な弦で主なものです。これらをチューニングします。
1.理念
2.ミッション
3.ビジョン
4.コンセプト
5.価値感
6.クレド
7.ターゲット
8.商品・サービス
9.キャッチコピー
10.コンタクトポイント
11.ビジュアルアイデンティティ
1.理念
会社の弦とは、まずひとつは「理念」です。理念とは、何のためにこの会社をやっているのか、何を実現しようとしているのかということです。
2.ミッション
また「ミッション」という弦があります。ミッションと理念はほぼ同義語ですが、ミッション=使命であって、何のためにというのは同じですが、天から与えられた役割、任せられた役割、自分が経営者として、この人生で果たすべきこと、やらずにはいられないこととは何か?このために生まれたきたということです。
3.ビジョン
「ビジョン」という弦もあります。ビジョンはこの先、会社をどんな方向に向かわせたいのか?具体的にどんな会社にしていきたいのか?どんなビジネスを実現していきたいのか?を明確にしていくことです。
ビジョンは具体的な部分とどうなるか実際のところ分からないけれど、夢や希望を描く部分もあります。
引き寄せの法則的には、このビジョンをどこまでぐらい的にイメージできるか、そのディテールまで見えるかによって、その実現度が変わってきます。より具体的に見えていることは、夢でも計画でもなく、もうすでに予定となっている状態です。
4.コンセプト
そして「コンセプト」、これは会社についての考え方や基本的な概要、ビジネスフレーム、ビジネスの仕組みについて、大まかにまとめるものです。
5.価値感
「価値感」=コアバリュー、核となる価値感です。価値感とは、どういう価値感を持って経営に臨んでいるのか、私たちはどんな価値感を持った会社なのかを明確にしておくことです。これはキーワードとその説明というかたち、もしくは、箇条書きで、3つ~10くらいの価値感をまとめます。マイルストーンデザインでは8つの価値感があります。
私たちは、こういう価値感を持って、こういうことを大切に考えて活動していますということをまとめます。こういうことに取り組んで、こういうことは行いませんと書く場合もあります。
得意なこと得意でないことを明確にしたり、好きなこと、やることやらないこと、いいと思うこと、素晴らしい、素敵だと感じること、強く興味を引かれること、こういうことに価値を感じるからこそ、この仕事をやっているんだ、大切にしてにしているんだということです。
6.クレド
「クレド」=信条。クレドは価値感と同じと言ってもいいでしょう。私たちは、こんなお客様のために、こんなサービス、商品を提供します。私たちは、こんなことを大切に仕事に取り組んでいます。こういうことに価値を感じ、大切だと思っています。こんなことはやりません。と言ったことをまとめます。クレドは、リッツカールトンホテルのものが有名ですが、いまでは、様々な企業でクレドを見ることができます。
クレドは、会社がどういう姿勢で、どんなサービスを提供するのか、社員、お客様に向けて宣言するもので、社員は、クレドに則った行動をし、クレドで表現される存在として会社のブランドを磨いていきます。
クレドは憲法と同じです。憲法は、法治国家であるならば、国家の根幹になる法です。すえては憲法から始まり、憲法にそった国が創られます。
そう考えたら、クレドが会社にとってどれほど大切かイメージできますね。
7.ターゲット
ターゲットは、最も大事です。誰がターゲット=お客さんなのか?商品やサービスは一生懸命考えているのに、それって一体誰がお客さんなの?ということが明確でなかったり、自分では素晴らしい商品だと思い込んで、惚れ込んで一生懸命手をかけるのですが、お客さんの顔が見えていないことはよくあります。
こういうのをプロダクトアウトと言って、製品やサービスを優先に考えることですが、それが本当に世の中に、人々に必要なものなら、プロダクトアウトでもいいのですが、最近は、ない商品はないというくらいニーズを満たす商品はあるので、そんな中では、市場やお客さんをよく見て、まどのマーケットを狙っていくのか?そのマーケットインが大事です。
8.商品・サービス
後は、「商品」がなければビジネスが成り立ちません。どんな商品、サービスを提供するのか?
9.キャッチコピー
「キャッチコピー」会社を一言で言うならどんなキャッチコピーがふさわしいのか?
10.コンタクトポイント
「コンタクトポイント」は、お客様と会社の接点です。お客様の接点をすべて洗い出して、お客さんとどのように接していくのかを見つめ直していく。それは商品だったりサービスだったり、プロモーション、広報・PR、広告など、お客様が会社に触れる部分はすべてと言えるでしょう。社員の電話の対応、メールの返信ひとつ、挨拶、態度ひとつからそうなのです。
ブランディングでは、コンタクトポイントひとつで本になります。実際にたくさん本が出ています。どんなサービス品質を創造するのか・・・
11.ビジュアルアイデンティティ
「ビジュアルアイデンティティ」少し難しい言葉ですが、要するに会社の見え方、見た目をどのように表現するかです。ロゴマークから会社の色(コーポレートカラー)を何色にするか、キービジュアルをどんなものにするか、キャラクターは必要か?店舗のデザインをどうするか。。。などなど、他にもありますが、ざっと基本的な弦をみても11もあります。
価値感、クレドはいずれかでもいいかと思いますが、これら10~11本の弦がどのような弦にるのか?
そして、この弦をどのようにチューニングしていくのか?
これによって、会社がどんな音色を奏でるのかが決まります。
ブランドはすべてそこから始まります。
すでに、これらの弦が明確な会社も多いと思いますが、適切な音色にチューニングされているでしょうか?
もしくは、まだ弦が張られていないとしたら、ぜひ、まず、弦を張るところからやってみてください。
これらの弦を張る楽器のボディは、会社です。どんな素晴らしい弦でも、会社というボディがどのようなものかによって、同じ弦でも音色は異なります。
そういう意味では、まず、会社という楽器をいい状態に整備する。メインテナンスする。。。これは何よりも大事なことです・・・どうメインテナンスしていくか。。。またお話ししたいと思います。
他にも、いろいろな角度で経営やマーケティング、ブランディング、Webサイト制作について、お伝えしていますので、他の記事もぜひ、お読みください。ありがとうございました!
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Inspirater 和田達哉
株式会社マイルストーンデザイン 代表