ブランドストーリーはありますか?

2021.01.05

商品や会社を生んだストーリーにファンは惚れ込む

 

なぜ、その商品を選ぶのか?

あなたには、好きなブランドがありますか?
なぜ、それが好きなのでしょうか?
その商品に似た、同じような機能・性能・品質、同じような価格帯のものが他にもあるでしょうか?
もし、同じような商品が他にもあるのに、なぜそれがいいのでしょうか?

商品を選ぶとき、その選択にはいくつかの理由があります。
価格、品質、機能、性能・効能、希少性、色・カタチ、味、香り、時間(スピード)
大きさ、重さ、快適性・心地よさ、似合う・似合わない、柔軟性、手触り、etc。。。
言えばきりがないのですが。。。

これらは、商品を選ぶとき、あなたが必要としている、こうした商品そのものが持っている特性・特質です。
あなたが感じているニーズやウォンツ(必要性と欲求)に合っているかどうかで、その商品は選ばれます。
しかし、似たような商品がたくさんある中で、なぜ、その商品を選ぶのか?選ばれるのか?
もちろん、微妙な違いでも、人それぞれにこだわりがある場合がありますし、人から見たら大した違いではないけれど、その人にとっては大きな違いがあると言うことも多いでしょう。

例えば、洗濯用洗剤。ホームセンターなどに行くと、様々な洗剤があって、大きくは用途によって分かれていますが、その中でも似たような商品がたくさんあります。
購入時の容量の違いは別としても、機能的にはほぼ同じようなものですが、洗って干した、仕上がりの香りや柔軟性、肌触りなど、やはり人によってはそれぞれに違いを感じたり、私も特に香りのきついものはいやなので、結局、いつしか我が家の洗剤は行き着くところに行き着いて、いまの商品が定番になっています。

他にも同じような理由で行き着いた商品がありますが、これらはすべてその商品の持つ特性から選択されています。
お店なども、例えばコンビニとかは特に、近くにある、通りすがりにあるから寄る。セブンでも、ファミマでも、ローソンでもどこでもいいと言う人も多いでしょう。
これは利便性が圧倒的に優位です。カフェもよっぽどこだわりがなければ、利便性で選ばれることも多いでしょう。

 

商品や会社の背景にある物語が好きだから。。。

これとは別に、商品や会社に「物語=ストーリー」があるから、それを選んでいるものがあります。
会社の場合は、会社の特質→特徴には、その会社の創業の物語や会社のバックグラウンド(背景)、考え方や理念、思想に共感するから、その会社の商品を選ぶということがあります。

◎その会社、商品がなぜ生まれたのか?

◎なぜ、その会社が存在しているのか?

◎なぜ、その会社はこだわって、それを作り続けるのか?

◎なぜ、その会社は売上げの数%を寄付するのか?

◎なぜ、その会社は革新を続けるのか?

ここには、ストーリー=物語があります。

もちろん、ストーリーのある商品、会社のもので、粗悪なものはほとんどないと思われますが、機能・性能ではそれほどではないけれど、その商品が持つストーリー故に売れ続けている商品もあります。

例えば、スニーカーのコンバースなどは、機能的には、日本人の足のカタチには合わないし、品質的には少し高めかなと思われますが「コンバース」というブランドで売れ続けています。
コンバースは、スニーカーを売っているところなら、ほぼどこにでもあって、雑誌などでもベーシックなファッションアイテムとして使われることも多く、また、多くの人が履いていて、目に付きやすいことから認知が拡がるので、広告戦略的な面もあるにはあるのですが、コンバースという会社や商品の生まれた背景と言うよりは、コンバースというスニーカーが持つ青春、爽やかさ、軽やかさ、そして、カジュアルベーシックなアイコンとして商品に染みこんだ、文化的なストーリーから、コンバースが選ばれていると言えるでしょう。

こうした場合は、似たような文化的なストーリーを持つスニーカーなら、同じように選ばれる可能性が高く、それぞれに商品が生まれた背景やリゾートの定番とか著名人に愛されているなど、商品を一言で言い表すキャッチコピー的な表現の中にストーリーがあるものも多くあります。
どうしてもコンバースでなければいけないという人には「なぜなら・・・」という選択の理由としてのその人なりのストーリーがあるかもしれません。

「ストーリー」によって選ばれている会社、商品はたくさんあります。もちろん、機能や品質を伴っているからですが、それ以上にその会社や商品が持つストーリーに惚れ込んでいる熱狂的なファンがいる会社や商品は、そんなファンたちに選ばれる確たるストーリーが存在しています。

スターバックス(カフェ)やApple(PC他)、ハーレーダビッドソン(バイク)、テスラ(クルマ)、パタゴニア(アウトドアウェアなど)、ディズニー(知らない人はいない)、ポケモン(知らない人はいない)、ダイソン(掃除機など)、スターウォーズ(知らない人はいない)、バーミキュラ(鋳物鍋)、ライカ(カメラ)、グレイトフルデッド(伝説で現役のロックバンド)、ギブソン(ギター)、etc・・・

こうした会社や商品は「だから好きだ」「だから気に入ってるという理由があり、それは商品特性や機能、利便性だけでなく、その会社や商品が持っているストーリーがそこに横たわっているからです。

もちろん、魅力的な商品を生み出す会社だからと言う意味では、ストーリーと言うよりも、機能や特性に魅力を感じていると言うことにもありますが、そうした魅力的な商品を生み出せる背景には、やはりその会社の理念や持っているポリシー、思想、コンセプト、何よりも、会社が持っているそのストーリーから発せられるエネルギーによるものが大きいでしょう。

◎会社や商品が生まれた背景にある物語に深く共感する。

◎その会社の考え方や活動に共感する。

◎その会社が目指す世界、描いているビジョンに共感し、そんな世界を共に創りたい。

◎その商品を使うことで人々のためになる、地球環境や世界に貢献できる。

◎商品や品質へのこだわり、その背景にある、それを生み出すことにこだわる理由。

ストーリーのある商品は、機能や品質以上に、ストーリーを楽しむ、味わっています。そのアイテムを所有する、使用する、その場所を利用する、その会社の製品を使う。それによって、その商品や会社にあるバックストーリーに触れることができる。例えば、自分の敬愛する著名人が愛用しているアイテムなどは、それを使うことによって、自分もその人物の気持ちを味わったり、その人物になり切ったりすることができます。

 

人生の物語の一部になっている

その商品や会社が持っているストーリーが好きで、その商品を使う、購入する、利用するという場合だけでなく、人によっては、たまたまかもしれないけれど、人生のある瞬間に、その商品、そのお店、その会社があって、自分の人生の思い出や愛着からそれを使い続けているという人もいるでしょう。

会社や商品に、特にこだわりがあったわけではないけれど、その時の体験が、自分の人生の一部になっていて、それを大切にしているから、そのブランドを選び続ける。
そこには、商品や会社のストーリーではなく、その人の人生のストーリーの中に組み込まれた商品、会社もあります。しかしそれも、その体験がいいものであったが故に、その体験が印象深く、魅力的だったことが、その人の大切な思い出という物語になっていると言うことです。

始めて手にしたクルマが父親からもらったトヨタで、いまでもトヨタを乗っているというような、ブランドへの愛着はたくさんあると思います。

◎あなたの会社、商品にはストーリーがありますか?

◎あなたの会社、商品が生まれた背景はどんなものがあるでしょうか?

◎あなたの商品にストーリーを描くとしたら、どんなストーリーを描くことができるでしょうか?

 

ストーリーそのものが商品、ブランドになっている

商品では、それが生まれた背景、例えば、子育てで苦労するお母さんのアイデアから生まれた商品やいつも足腰を気遣う、年老いた母のために思いついた商品、子供のアレルギーをなんとかしたいという思いから生まれた商品など。。。やむにやまれぬ思いや愛する人のために生み出された商品には、それが生まれた背景となるストーリーが自ずとあります。

しかし、それとは逆に、人生や生活のシーンを想定して、ストーリーが描かれ創られたブランドもあります。

こうしたブランドは創られたストーリーではありますが、その物語が共感され、その人のものになるなら、それは受け入れられ育てられるものになるはずです。
ハローキティやマイメロディなどのキャラクターのサンリオは、キャラクターのコンセプトとストーリーからキャラクターが生み出されますし、ディズニーはすべて物語から生まれ、ディズニーランドは現実になった物語の一部を楽しむことができ、みんな物語の世界そのものを味わっています。
多くの商品開発も、戦略的にニッチな市場を探したり、ニーズやウォンツから商品コンセプトやブランドストーリーを創って、そこにふさわしい、魅力的な商品を創造していきます。
そうした商品には、創られたストーリーであっても、実質的に、そのストーリーに共感したり、当てはまる人にとっては、大切なものになるので、そのストーリーが作られたものであるないに関わらず、その人にとって大切なものになるかどうかが、重要なんだと思います。

心に残る映画も、それがフィクションであっても人を深く感動させて、記憶に残り、人生を変えてしまうような物語があるように、その会社や商品が、その人の人生を素晴らしい未来へと変えてしまうこともあるのです。

そもそも、私たちの人生も、私たちがどのように世界を見て、感じるか、その認識の仕方によって、出来事や世界を受け止め、そこからの反応の積み重ねで、その体験から人生はカタチ作られていきます。

その私たちの認識は、私たちが出来事にどんな意味づけをするかで決まります。その意味づけをするのは、私たちのビリーフ=信念です。
何を信じ、それをどのように思い、感じるのか?なぜ、そう感じるのか?その意味づけはいつしたのか?なぜ、そう思うようになったのか?

物事は、意味づけが変われば、それへの認識が変わります。そう考えれば、私たちは、物事に私たちの頭の中、心の中でストーリーを勝手に創っているのと同じです。
すべては私たちの認識次第、すべてはファンタジー=幻想と言ってもいいかもしれません。
であるなら、もっと積極的にストーリーを活用していきたいと思いませんか?

あなたの会社や商品には、そんな人々の心を打ち振るわせ、感動させる。そして、人生を変えてしまうほどのストーリーはあるでしょうか?

もし、そんなストーリーが描けるとしたらどんな物語になるでしょうか?
ぜひ、考えてみてください!

他にも、いろいろな角度で経営やマーケティング、ブランディング、Webサイト制作について、お伝えしていますので、他の記事もぜひ、お読みください。ありがとうございました!

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Inspirater 和田達哉
株式会社マイルストーンデザイン 代表