間違ったお客さんを招き入れない
2020.11.07
明確にすることの大切さ
あなたの会社、商品のお客さんとは、どんな人でしょうか?
このブログの「ターゲットは誰ですか?」という記事でも書いていますが、あなたの会社、商品のターゲットを明確にすることはとても大事です。
ターゲットに限らず、
◎どこのマーケットを狙っているのか?
◎どこのマーケットでビジネスをしているのか?
◎どのような商品なのか?
◎どのように使われるのか?
など、ビジネスではいろいろなことを明確にしておく、決めておくことが大事です。
それは、どこにフォーカスしているかによって、そのフォーカスしたものがカタチになっていくからです。
「環境整備」という、経営においてはとても重要な言葉があります。社内の環境を整備すると言うことなのです。
例えば、きちんと清掃して、整理整頓されていることはもちろんですが、会社の備品や配置、レイアウトがきちんと成されていて、何か必要なものを探すときに、迷いなく必要なものを取り出せたり、使えたりするように、置いている場所を決めておき、何がそこにあるか書かれたシールを貼って、見てわかるようにするなど、いらないものは処分して、いつも必要なものだけにして、効率よく、美しくしておくことです。
この環境整備を常に意識しておかないと、気がついたら会社の中がゴミ屋敷になってしまうと言うことにもなりかねません。私は特に意識しておかないと、机の上がすぐに散らかってしまいがちなので、散らかり始めたら「環境整備」と言って、5秒ルールですぐに整理をするように心がけています。この5秒ルールはメル・ロビンスの行動を起こすための方法でとても使えるので、また、紹介したいと思います。
話が拡がってしまいましたが、環境整備のように、会社のあらゆるところに、意識を向けて、すべてが整っている。整えていく、明確にしていくことは当然のことながら大切なわけです。これは、私自身に戒めて書いています。笑
誰が真のお客さんなのか?
さて、ターゲットのお話ですが、誰がお客さんなのかを明確にしておくことで、本来のお客さんにフォーカスして、そのために何をするのかを考えることができます。
本来のお客さんでないお客さんに、一生懸命エネルギーを注いでも、それは本来のお客さんではないので、うまくいかないわけです。
80対20の法則をご存じでしょうか?パレートの法則と言われ、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した法則ですが、
◎売上げの80%は、20%の上顧客によって生み出されている。
◎売上げの80%は、全商品の20%の商品が生み出している。
◎売上げの80%は、全従業員の20%が生み出している。
◎仕事の成果の80%は、費やした時間全体のうちの20%の時間で生み出している。
◎故障の80%は、全部品のうち20%に原因がある。
◎住民税の80%は、全住民のうち20%の富裕層が担っている。
この80対20の法則は、あらゆるところで見られ、これはとても不思議なのですが、まさに自然の法則であるとも思えます。
実は、さらに興味深いことに、この80対20の法則は、日本マクドナルドの創業者、藤田田氏の本「ユダヤの商法」にも書かれていますが、ユダヤ人の伝統的な商売の教えの中に「78対22」の法則というのがあり、イタリア人の学者パレートさんは、もしかして、このユダヤ人の教えを知っていて、それを研究したら、あらゆるところでそれを見いだしたのかもしれません。ユダヤ人は流浪の民として、生き残るためにあらゆるものを見いだしていったのだと思います。
さて、この80対20の法則で見るように、20%の上顧客、つまり、お得意さん、VIP客が、売上げの80%を創っているにも拘わらず、それに気がつかないで、その他80%のお客さん対応に一生懸命になっているというケースは多いものです。
言うなれば、80%のお客さんは、売上げの20%しか生み出していないというとです。実際のところいかがでしょうか?あなたの会社のお客さんを見てみてください。
お店にしても、会社にしても、あまり商品を買ってくれない、もしくは冷やかし客に、なんとか商品を買ってもらおうと一生懸命になっていても、その8割は無駄な努力とは言いませんが、結果につながりにくいと言うことになります。
誰がお客様なのかを明確にして、そのVIP客にフォーカスし、丁寧に扱っていくことで、80%の売上げを生み出せるので、ここをより強化していくことで、さらに商品を買ってくれたり、いいお客さんを紹介されたりするわけです。上顧客のために様々な面の品質を向上していくことは、会社や商品を改善、成長させていくためにも大切なことなのです。
全米No.1の営業マンがやっていたこと
さて、ここで質問です。
かなり昔の話ですが、有名なお話があって、全米NO.1のゼロックスの営業マンのお話です。
なぜ、彼は全米No.1になれたのでしょうか?どう思いますか?
よく答えられるのが、営業トークが非常にうまかった。交渉力があった。催眠的な方法を使っていたなどあるのですが、実は、答えは、
「誰よりも数多く電話していた」と言うことです。
デジタルマーケティング全盛の今日ですが、今でも、テレアポ=電話営業はとても多く、会社にも営業の電話が数多くかかってきていると思います。
この全米No.1ゼロックス営業マンのお話は、すでに有名なので、こうしたテレアポ業界では、彼の方法がとられているはずなのですが、どうやっているかというと、
電話帳でエリアを決めて、電話をして挨拶をしたら
「コピー機いりますか?いりませんか?」
それで相手が間に合っていると言ったら、挨拶して電話を切る。
ただ、それだけなのです。
人の何倍も電話をかけまくると、必ず、今まさに困っているお客さんに当たるというわけです。
当時なので、今よりもずっと故障しやすかったかもしれません。なので、ローラー作戦で、電話をしていけば、困っている人にあたるというわけです。
他の営業マンが、なんとか買ってもらおうと一生懸命と交渉している間に、彼は何本も電話をかけているのです。
マーケティングにおいても、ここが大事で、いかに困っているお客さん、問題、お悩みを抱えているお客さんといかに出会って、それを解決してあげるのか、今すぐ客ともいいますが、非常にニーズの高い、欲求の高いお客さんに出会うことができたら、商品は高い確率で売ることができると言うことです。
もちろん、ここで品質の悪いものを提供したり、ぞんざいになって、お客さんに不快な思いをさせるようではなんの意味もありません。あくまでも、お客さんの満足のために、何をどう提供するのかを大切にすることは言うまでもないことです。
お客さんは、誰でもいいわけじゃない
「間違ったお客さん」とは、つまり、本当は買う気がなかったお客さんに商品を販売してしまった。買う必要のないお客さんが商品を買ってしまった。そういう場合が、間違ったお客さんに商品を販売してしまったということで、売上げは確かに立つのですが、こうしたお客さんは、後々面倒なことになるのが常です。
そもそも、その時の気分、感情の高揚で買ってしまった場合、高揚から目が覚めたら、特にそれが高額商品だったら、必ず後悔して、さらに商品が粗悪だったり、期待外れだったりしたら、ショックも受けますし、なんでこんなものを買ってしまったんだろうという体験は、あなた自身にもあるのではないでしょうか?
そうしたお客さんは、いやな気持ちになりますし、場合によってはクレーム客にになる可能性もあります。最近では、ネットで何を書かれるかもわかりません。そうなると、クレーム客への対応にエネルギーを裂かれ、本来前進すべき業務が前進せず、時に訴訟問題などに発展したら、小さな会社ならとんでもなくエネルギーの浪費となります。
そもそも、粗悪品を販売したり、お客さんをぞんざいに扱うなど、クレームを言われて当然ですが、売上げのために、本来お客さんになるべきではない人をお客さんにしてしまうことは、それだけリスクがあると言うことです。
映画「千と千尋の神隠し」を見たことがありますか?オクサレ様が油屋に来るシーンあたりで、千がカオナシを油屋に招き入れてしまいます。湯婆婆は、何かに気づいて
「 ん?…なんだろうね。なんか来たね。雨に紛れてろくでもないものが紛れ込んだかな?」
「なにか入り込んでるよ」
というシーンがあって、とても印象に残っているのですが、間違ったお客さんとは言え、カオナシ呼ばわりするのも良くないですが、カオナシはその後油屋で大暴れするわけです。このシーンを思い出す度に、間違ったお客さんを招き入れてはいけないといつも思うのです。笑
あなたの会社、お店は間違ったお客さんを招き入れてはいませんか?
誰がお客様なのか?誰が、本当に大切なお客様なのかを今一度、考え、見直してみることは、今後の経営に大きく役立つと思います。お客さんは、選ぶことも大切です。
経営者がどう生きるのかが、会社に大きく影響している
経営とは何かを考えるときに、経営者の方には、特にお伝えしたいのですが、あなたがどんな人生を送りたいのか?経営はそれとまったくリンクします。
社員さんがいるなら、あなたの経営者としての人生の影響を大いに受けるわけです。あなたがリーダーで、あなたの方針で会社が営まれます。社員さんは、あなたの価値観、方針の中で、彼らの人生を送らなければいけません。あなたが、真の経営者なら、あなたの人生をどのように生きるのか?そして、社員さんの人生をどう見つめるのか?あなた自身の人生観を社員さんの幸せに拡げ、考えていかなくてはいけません。
そして、お客さんにどう貢献するのか?どんな幸せを分かち合えるのかを考える。そのおかげで、お客様から感謝のエネルギーが、お金、売上げという対価になって返ってくる。
私は、経営において「誰とどんな世界を創造したいのか?」ということをいつも考えています。
その誰とは、大切な社員さんであり、大切なお客様です。そして、協力し、支えてくれている協力会社の皆さんです。そんな仲間たちが、素敵な仲間であり、人生を送れるように、会社を、自らを成長させて行きたいものです。
このブログでは、間違ったお客さんを招き入れてしまう問題についてお伝えしました。
他にも、いろいろな角度で経営やマーケティング、ブランディング、Webサイト制作について、お伝えしていますので、他の記事もぜひ、お読みください。ありがとうございました!
Inspirater 和田達哉
株式会社マイルストーンデザイン 代表取締役