「ムーンショット」でブランディングを考えてみる
2020.11.09
ブランディング考えてますか?
あなたの会社は、ブランディングを行っていますか?
ブランドづくりのためにどんな活動をしているでしょうか?
そもそも、ブランドって何でしょうか?
小さな会社のみならず、中小企業でもブランディングを本格的に行っている会社はかなり少ないものです。
経営者の方に質問してみると、ほとんどの経営者の方が、ブランディングの大切さを理解していますが、そもそもブランディングがどういうことか、どうしたらいいのかを理解されている経営者の方はあまり多くありません。
経営の中で、自社の独自性や魅力、競合他社との差別化を考えながら、自社としての個性をいかに表現していくか、その中でできることをやっていくというような。。。確かに方向性は間違っていないという感じです。では、何が問題なのでしょうか?
ブランディングのみならず、マーケティングにおいても、経営戦略においても、何をやらなければいけないのかを明確にすることが大事です。そして、ブランディングであれば、我が社はブランディングを行っていますと明確に言えること。それがブランディングを行っていると言うことです。
そのためには、ブランドコンセプトをしっかり描いて、言葉として明文化し、シンボルとなるブランドビジュアルを写真やイラスト(絵)などで描いて、会社のブランドコア(核)をしっかりと創るところから始めなければいけません。。。本当は・・・
ブランディングは、本格的に行うとかなり時間がかかるものです。うちの会社のブランドは、頭の中には明確にあるので、それを具体的に書き出して表現すればいいと思っている方も多いのですが、いざ、言葉にしてみると、また、言葉にしようとすると、なかなかまとまらないものです。
自社のブランドは大体整っていると思っていても、きちんとブランディングを行っていくと、全く違うものになっていく可能性だって十分あります。思っていることと行動が異なれば、おかしなことになるように、ブランディングで会社を見直してみることは大事です。
人類を月に送る
「ムーンショット」という言葉をご存じでしょうか?人類がまだ人間が月に着陸していなかった時代。アメリカのジョン・F・ケネディ大統領は、1961年に「アポロ計画」を発表。1960年代に人類を月に送ると宣言しました。この当時であれば、不可能に思える壮大な計画を掲げて、実行に移していくことを「ムーンショット」と言いました。
ブランディングは、冷蔵庫の中にある材料を使って料理をするとか、机の上を整理するという話ではありません。逆に、ややこしいか。。。つまり、いまの会社の状態を整えることではないということです。
ブランディングは、本来は、会社の未来の姿、ありたい姿、あるべき姿、実現したい姿という明確なビジョンがあって、それを実現するために経営戦略を考え、経営計画をつくります。その経営戦略に従って、ブランド戦略を考え、何をどうするか、いつまでに行うのか、何が必要で、足りないものは何かなど、実行していくための計画やロードマップを考えます。
なりたい姿が、現在の会社の状態からは想像もつかないような姿であるならば、それは「ムーンショット」かもしれません。「ムーンショット」は途方もない計画で、それを実現するにはかなりのエネルギーと時間もかかるでしょう。
それでも、不可能と言われた「アポロ計画」が実現したように、本気で実現するんだという意思が明確で、それを実現しようとする燃えるような情熱があれば、それは必ず実現するでしょう。
ブランディングというのは、ちょっとコンビニへ行ってくると、サンダルを履いて出かけるようなものではなく、大切な会合に、きちんとした格好で出かけていくことです。それなりに準備も必要ですし、手間もかかります。少し窮屈だったりします。でも、それは明確な目的があるからです。その目的の達成のためには、何かを削り、何かを加える必要もあります。何かを諦めて、何かを受け入れることも必要で、それが会社を成長させる鍵になったりします。
あなたの会社には「ムーンショット」のような夢、ビジョン、計画はありますか?
「ムーンショット」とまでは行かなくても、アメリカくらいは言って欲しいです。
コンフォートゾーンの向こうへ
実は一度真剣に、会社の「ムーンショット」は何か?実現不可能と思える大それた考えを真剣に考えてみると面白いことが起こります。ちょっと考えるくらいではだめです。
もうそれを本当にしなくてはいけない。失敗なんてあり得ない。それを実現するために進み始めた自分をイメージすると、時に不安に襲われます。やるぞと宣言してみたものはいいけれど、始めて見たものはいいけれど、これはやっかいなことになったぞ、この山は本当に登れるのか?命がけになるんじゃないか。。。など、自分には実現できないかもしれないと武者震いのような得体の知れない不安を感じたりします。実は、そこがコンフォートゾーンの外です。
そのような不安を感じると言うことは、あなたが本当にあなたの日常で考えられる範囲の外の世界へと足を踏み入れた感覚です。でも、あなたがイメージできると言うこと、それはあなたが想像し得る場所なんです。つまり、あなたには見えるので、行ける可能性が十分にあると言うことです。本当に不可能な場所とは、ブラックホールのその先のように、全く想像し得ない世界です。
「ムーンショット」をイメージして面白いことが起こるのは、この不安感のことではなく、これまでやってみたかったけれど、難しいかな?うちの会社では難しいかなと思っていたことが、これくらいならできそうだなという意識に変わることです。「ムーンショット」を実現することに比べたら、少し先のこと、少し努力すればできることが、なんだか、すごく簡単に思えるのです。ここが大事です。
夢の姿を実現していくプロセス
ブランディングは、お客様や外から見て、どんな会社なのかが一目でわかる、よくわかるようにしていくことです。もちろん、社内の人、社員も役員も、社長もブランディングで自社のことをより理解するようになります。←インナーブランディング
そのために、ブランディングでは、会社がどう言う会社なのか?どう言う価値観を持って、どんな世界観で活動しているのかを表明していく、表していくことで、そこに共感する方が集まりやすくするものです。
あ~そんな会社だったらいいなぁ、素敵だなぁ、共感するなぁ、魅力的だなぁと。あなたの会社がどんな会社なのかを伝わりやすいようにすること。
雨風をしのげたらなんとか生活できるという住まいでは現代人は満足できません。快適に暮らすこと、それ以上に、暮らしには人それぞれにライフスタイルがあり、自分らしく暮らすこと。満足の暮らしを実現すること。憧れの暮らしがあるものです。
ブランディングは、この憧れの暮らしを実現するように、会社の憧れの姿、夢の姿を実現していくプロセスです。そのためには、どんな会社が憧れなのか?どうなったらいいのか?そのビジョン、ゴールをしっかり描くところからブランディングは始まります。
魂の息づかいの先に宇宙が見える
ブランディングは、コンタクトポイントと言って、お客さんや関わる人々、あなたの会社を知る人々が、あなたの会社に「コンタクトする」つまり「接触する」その瞬間、そして、その後の体験がどんなものになるのか?そこをどう表現するのか?どう扱うのか?どうコントロールするのか?それがブランディングです。ブランディングは、デザインとか、ロゴマークとか見た目だけの問題ではないのです。
お茶に作法があるように、日本の「道」がつくもの、合気道、弓道、剣道、書道。。。すべて、作法があり「礼」があります。「道」とは終わりにない鍛錬であり、進化そのものです。
この礼は決まり事、正確に行う必要があるルールがあり、その中での所作の美しさ、見事さ、気迫だったり、それは動作だけでなく、行う人の魂の息づかいまで感じられる動きは、まさにアートそのものになり、その先に宇宙が見えるものです。
ブランディングも同じで、会社のブランドを表現しようとするとき、そこに働く社員さんの魂の息づかいにまで、会社のスピリットが入り、それが体現される。社員さんは会社の社員として、その先に宇宙を見る必要があるし、そんな社員さんや会社を見たとき、触れたときに、会社という魂の息づかいを感じ、宇宙を見るのです。
ひとたび、宇宙を見てしまったお客さんは、取り憑かれます。虜になってしまいます。なぜなら、表面的なことではなく、お客さんの中にある宇宙とその先にある宇宙は同じものなので、直接つながってしまうからです。このコネクションは簡単に壊れたり、切れるものではありません。
ブランディングとは、会社のその先の宇宙とお客さんの中にある宇宙をつなげることです。
ちょっと神秘的というか、哲学的というかそんなお話になりましたが「ムーンショット・ブランディング」ということで、宇宙つながりでいいオチになったかなと思います。。。笑
ぜひ、そんな思いで、遠い夢、ビジョンを描いてみてください。
きっと、すごいことが起こるはずです。
ブランドづくりはそこから始まるのです。
他にも、いろいろな角度で経営やマーケティング、ブランディング、Webサイト制作について、お伝えしていますので、他の記事もぜひ、お読みください。ありがとうございました!
Inspirater 和田達哉
株式会社マイルストーンデザイン 代表